大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

名古屋地方裁判所 昭和61年(わ)1101号 判決

本店所在地

名古屋市守山区大字瀬古字柴荷四二番地

法人の名称

キリン乳業株式会社

右代表者

石井照治

本籍

名古屋市北区飯田西町三丁目一〇番地の一

住居

右同所

会社役員

石井照治

大正六年五月一〇日生

右両者に対する法人税法違反被告事件につき当裁判所は検察官多和田洋二出席のうえ審理を遂げ、次のとおり判決する。

主文

被告人キリン乳業株式会社を罰金五〇〇〇万円に処する。

被告人石井照治を懲役一年六月に処する。

被告人石井照治に対しこの裁判確定の日から四年間右刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告人キリン乳業株式会社(以下「被告会社」という。)は、名古屋市守山区大字瀬古字柴荷四二番地に本店を置き、冷菓製品の製造・販売等を業とするもの、被告人石井照治は、被告会社の代表取締役としてその業務全般を統括するものであるが、被告人石井照治は、被告会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、架空名義等による株式売買取引により得た利益を除外する方法により所得の一部を秘匿した上、昭和五九年二月一日から同六〇年一月三一日までの事業年度における同会社の実際の所得金額が五億九六七三万五一四八円で、これに対する法人税額が二億四六〇一万六五〇〇円であるのに、同年四月一日、名古屋市北区清水五丁目六番一六号所在の名古屋北税務署において、同税務署長に対し、所得金額が一億八二四二万一八一三円で、これに対する法人税額が六六六一万八六〇〇円である旨の虚偽過少の法人税確定申告書を提出し、被告会社の右事業年度における正規の法人税額との差額一億七九三九万七九〇〇円を免れ、もって、不正の行為により法人税を免れたものである。

(証拠の標目)

被告会社代表者兼被告人本人石井照治の当公判廷における供述のほか、記録中の証拠等関係カード(検察官請求分)に記載されている次の番号の各証拠

甲の2ないし24

乙の1ないし11

(法令の適用)

罰条

被告会社につき 法人税法一五九条一項、二項、一六四条一項

被告人石井につき 同法一五九条一項

刑種の選択 被告人石井につき懲役刑

刑の執行猶予 刑法二五条一項

よって、主文のとおり判決する。

(裁判官 笹本忠男)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例